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クモマツマキチョウをもう一度見たいと思い続けて十数年が経ちました。ブログで見る詳しい方にお願いするのが近道かもしれませんが、私の住む所からかなり遠いのです。出来ればブログでよく見かける場所ではなくて、あまり人の行かない所で見れないかと思うようになりました。
そういう所の一つかも知れない所へ行って来ました。その紀行文です。 (その1、 その2 があります。出来ればそちらから。) 2008年6月6日 クモマツマキチョウを見たいという思いは続く。5月26日に行った大井川上流の西俣林道は良さそうな感じがして、もう一度行きたいと思う。上高地とどちらが良いか、確率は西俣の方が高いように思ったので、週間天気予報を見て行ける日を探すことにする。梅雨入りとあって中々良い日和が続かない。 天気予報によると、6月6日に午後から晴れてきて、翌7日も晴れが続きそうだ。4日の午後になって、もう一度行きたいと家内に言うと、マイカーは駄目という。それもそうだと思い、千頭まで電車を乗り継ぎ、タクシーで第一畑薙ダムまで行くことにして、二軒小屋ロッジとタクシー会社に予約を入れた。チョウに出会える確率は20パーセントくらいか。 6日の朝早く起きてみると、朝から快晴である。喜び勇んで6時11分の渥美線に乗る。豊橋始発の熱海行きで金谷へ、大井川鉄道に乗り換え千頭に着くと、予約のタクシーが待っていた。紅葉の時期は畑薙ダムまで乗る人は少なくないが、今の時期は少ないようだ。井川までの道すがら景色の良いところを教えてくれる。狭い県道もプロ任せで安心。予定より早く第一畑薙ダム堰堤に着くと、送迎バスが待っていてくれた。お客は一人とのことで直ぐ出発。予定より一時間も早く二軒小屋ロッジに着いた。この10日間で新緑が色濃く進んでいた。しかし標高1400メートルの此の地での気温はまだ低く、長袖の下着にウールのシャツを着た上にパーカーを羽織って丁度良い位であった。 ロッジで持参の昼食をとる。釣り人が三人同席だった。その中の一人が、クモマツマキチョウですか、と聞いてきたので、そうですと答えると、クモマツマキチョウの卵が産み付けられているのが見られますよと教えてくれた。ハタザオに生みつけられている卵が、ロッジの近くでも1個、西俣林道で3個、計4個が見られたと言う。とても小さい卵らしく、私の目では見つけられそうも無い。 ここまで雌が下って来ているのは間違いが無いが、午後は風が出るし、止まらないから写真を撮るのは難しいかもしれない。クモマツマキチョウを見るなら上高地が良い、それもこれからの時期、明神までで見られますよ、と教えてくれた。 (静岡昆虫同好会会誌・ 「駿河の昆虫」 の2005年、NO.211号によれば、ここよりずっと下流と思われる、静岡市田代で採集された記録がある。) 私はとにかくここまで来た以上、行って見るしかないので、大井川上流・西俣林道に向け出発。ロッジの下の道を上流に向かって登る。ゆっくりと苦しくならない速度で登って行く。トンネルを通り、橋を渡って、西俣・東俣の分かれ道に着く。ここから左へ西俣林道に入る。 新緑は10日間のうちに随分進んでいた。道端を見るとハタザオ(ミヤマハタザオ?) も白い小さな花を咲かせている。幸い風もそう強くない。お天気も良い。条件は悪くはなさそうだと期待しながら上流へとゆっくり歩く。この林道はほぼ平坦に近いので歩くのは楽だが、しばらく行って小さい発電所を過ぎると、道の崩落が始まる。前回来た時に見ているので、最初の崩落は越えてみる。しかし直ぐ又次の崩落がある。今度は右の崖から流れを伴っていて、渡渉が必要だった。私にとってはここまでかと引き返す。クジャクチョウが現われて慰めてくれた。 発電所の下を降りて対岸に渡る道があったらしい、橋が落ちた跡があった。対岸にクモマツマキチョウが住むのに良い場所があるように見えたが、水量がとても多くて渡渉は不可能だった。この辺りにもハタザオが咲いているので、しばし休憩。ホームページ「有峰棲」の記事で「この左岸でも見られるようだ」とあったのを拠り所にして、クモマツマキチョウの現われるのを待つ。しかし現われない。やっぱり出会えないのかと思いつつ帰路につく。 ハタザオの咲いている所で、何箇所も少しずつ待ちながら、ゆっくりとゆっくりと入り口に戻る。入り口にある電柱が見えてきた時、何かが目の前を横切った。淡い黒に見える小さいチョウだ。これだと目をこらす。チョウは崖に近づいて反転し、谷の方へと降りて行く。その時羽の表のオレンジ色が見えた。クモマツマキチョウだ、ついに出会えたと、目を凝らしてオレンジ色のチョウを確認する。クモマツマキチョウに間違いはない、ここにいるのは間違いない、と心にとどめる。嬉しさがこみ上げてきた。 チョウは谷に降りながら、上流へと飛んで行く。なんとか写真が撮れますようにと後を追う。と林道に向かって上がって来た。カメラを構えながら走る。チョウは林道に出て、ハタザオの花に止まった。直ぐ隣の花へ隣の花へと移る。なかなかシャッターを押すチャンスが無い。コンパクトデジカメの悲しさ、タイムラグが長いので上手く撮れない。それでも何回かシャッターを押せた。証拠写真は撮れただろうと思う。 チョウはハタザオの花から道端の小石に移って止まった。そして少しゆっくりと翅を広げた。この時なんとか開翅写真を撮ることが出来た。写真が撮れたと思う間も無く、クモマツマキチョウは飛び立ち谷間へと去って行った。 クモマツマキチョウに出会えた、見ることが出来た、写真も撮れた、と喜びに溢れ、足取りも軽く帰途についた。ロッジに帰り、ゆっくり入浴。この日の夕食は楽しく、とても美味しかった。 クモマツマキチョウ 西俣林道にて 2008年6月6日 午後 ルミックス DMC-FZ8 ISO 200 プログラムAE (F4.5 1/200) クモマツマキチョウ 西俣林道にて 2008年6月6日 (同一個体) ルミックス DMC-FZ8 ISO 200 プログラムAE クモマツマキチョウ 西俣林道にて 20年6月6日 午後 (同一個体) ルミックス DMC-FZ8 ISO 200 プログラムAE (F6.3 1/400) ロッジに一泊、6月7日の午前中の送迎バスで帰路についた。発車までの約一時間、ロッジのまわりで蝶を探す。キベリタテハが降りてきたが、クモマツマキチョウは見えなかった。 畑薙第一ダムから井川までタクシー、井川からアブト式電車で千頭へ、千頭から金谷へはSL列車が走っていたので乗ることが出来た。 帰ってから画像を見てみると、残念ながら クモマツマキチョウ の美しさや優しさが十分に出た画像がありませんでした。もう一度挑戦してみようか、とも考えますが、西俣林道で必ず会えるとも思えません。出会える確率は以前より大分上がって50%位でしょうか。今年も行くかどうか考慮中です。 追記 この記事の概要は、三河生物同好会・会誌「蟲譜」第47巻・第1号(通巻90号) に発表しました。 [ 終 ]
by 22wn3288
| 2009-01-09 09:23
| チョウ
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Comments(4)
なかなか大変な場所のようですが、一度行ってみたいと思います。
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cactuss at 2009-01-09 22:08
22wn3288さん、初めまして、大井川鉄道とタクシーとバスを乗り継いで、行かれたとはすごいですね。しかも、見事にクモマツマキチョウ♂を撮影されて、すばらしいです。小生もクモマツマキチョウは何回も挑戦しましたが、なかなか撮影できません。今年こそはと思っています。リンクさせて頂きましたので、これからもよろしくお願いします。
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22wn3288 at 2009-01-10 09:55
cactussさん、早速見て頂き有難うございました。リンクも有難うございました。大井川上流まで電車、タクシー、送迎バスと大変そうですが、私の住所からですと、上高地へ行くのと、時間も費用も、むしろ少なくてすみます。
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maeda
at 2009-01-11 13:57
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初めまして。
十勝のmaedaと申します。ブログに来て頂いて、ありがとうございます。 これからも宜しくお願いいたします。 近いうちにリンクを張らせて頂きたいと思います。 クモツキは新潟で一度だけ偶然に出会ったことがあるだけです。 今は撮影だけなので、保護されている場所などチャンスもそれなりに作れそうです。距離的問題は残りますが。
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